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計算手法

CULGIライブラリには、マルチスケールの現象を取り扱えるよう、以下に紹介する4つの主要計算ライブラリが含まれます。

分子動力学法(MD)、モンテカルロ法(MC)

水、Nifedipine、PolyVinylPyrrolidoneの3つからなる混合系の相図全原子モデルまたはUnited atomモデルに基づくシミュレーションです。この方法は、原子・分子のスケールで起こる現象(数nm/数ns)をターゲットとしており、使用する力場を適切に選択することで、低分子から高分子までを含む様々な機能性材料に対して、高精度に物性を予測することができます。
右図は、水、医薬分子のNifedipine、および高分子(PolyVinylPyrrolidone)マトリックスの3つからなる混合系の相図で、全原子モデルによるシミュレーション結果とFlory-Huggins理論に基づく計算結果から得られています。水分子の投入により、高分子マトリックスと薬分子間の水素結合の安定性がどのように変化するかが評価されています。

散逸粒子動力学法(DPD)、ブラウン動力学法(BD)

星型ポリマーからなる系に、せん断(ずり)をかけたときのシミュレーションのスナップショットバネ・ビーズモデルに基づくシミュレーションです。このモデルは、United atomモデルよりも粗視化レベルが高く、例えば、水分子5~6個分を1つのビーズとして扱います。また、個々の分子の特徴を捉えたままモデル化することも可能で、例えば、界面活性剤の親水基と疎水基を別々のビーズとして取り扱うことにより、両親媒性の特徴を失うことなく、シミュレーションが行えます。
右図では、5つのアームを持つ星型ポリマーからなる系に、せん断(ずり)をかけたときの動的挙動を解析しています。CULGIのDPDを使用することにより、コンピュータ上に仮想的なレオメーターを構築し、高分子の粘弾性を評価することができます。

動的密度汎関数法(DDFT)

濃度を変えたときのPluronic L64水溶液のモルフォロジー変化:(左)50%(右)70%ガウス鎖モデルに基づくシミュレーションです。このモデルは、バネ・ビーズモデルよりもさらに粗視化レベルが高く、典型的な例では、モノマー10~100個分を1つのセグメントとして扱います。前述の粒子的なシミュレーションとは異なり、連続場を第一義的な変量として取り扱うシミュレーションになります。DDFTは、濃度場の動的挙動を追うことが可能で、ジブロックコポリマーの溶融状態における相分離構造の研究をはじめ、メソスケールのモルフォロジー予測に広く使用されています。
右図は、トリブロックコポリマーのPluronic L64と水の混合系の動的挙動をDDFTで解析した事例です。ポリマー濃度を変えたときのモルフォロジーの変化がシミュレーションにより求められています。

ハイブリッド法(BD+DDFT)

界面活性剤濃厚溶液中にある少量のブロックコポリマーの動的挙動バネ・ビーズモデルとガウス鎖モデルとのハイブリッドモデルに基づくシミュレーションです。ハイブリッド法はCULGI特有の計算手法で、希薄溶液中の界面活性剤の挙動など、膨大な量の溶媒分子に対しては計算速度の速いDDFTで取り扱い、少量の溶質については個々の分子の動的挙動を表現できるようにBDで取り扱います。
右図は、界面活性剤濃厚溶液と少量の添加剤(ブロックコポリマー)からなる系で、前者をDDFTで取り扱い、後者をBDで取り扱っています。少量のブロックコポリマーの添加が、ミセルを形成している界面活性剤濃厚溶液の粘弾性にどのように影響するかが検討されています。

マッピング機能による各計算手法の連携

マッピング機能(DPD ⇒ MD)によるプロパティ計算の手順CULGIでは、対象とする現象の空間的・時間的スケールに合わせて、前述の4つの計算手法から最適なものを選択することができます。また、各計算手法は「マッピング」という機能によって粗視化レベルの異なるモデル同士を関連付けることが可能で、現在、MD ⇔ DPD, DPD ⇒DDFT の連携に対応しています。特にMD とDPD の連携では、マッピング機能によりDPDで高分子のミクロ相分離構造やアモルファス構造を効率的に作成してから全原子モデルに変換し、その後MDシミュレーションで各種プロパティを計算するといった使用法が可能です。

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