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リリースノート

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MedeA 2.18 リリースノート 2015年10月

MedeA2.18では、量子化学計算への対応が図られ、Gaussian Interfaceが実装されました。また、既存モジュールについてもバンド計算プログラムVASPがバージョン5.3.5へアップグレードされた他、UNCLEやTSSの機能強化がなされています。

新ツール

Gaussian Interface

最新版のMedeAでは、量子化学計算への対応として、Gaussian Interfaceを実装しました。これにより、MedeAは第一原理バンド計算VASPと量子化学計算Gaussianを統合的に利用できる環境となります。Gaussianは世界的に広く利用されている量子化学計算プログラムで、密度汎関数法だけでなく、Hartee Fock法やMoller-Plesset摂動法、Coupled Cluster法といった手法での計算が可能です。結晶系の計算に長けたVASPに加え、分子系の計算をGaussianで実行できるようなることで様々な系を効果的に取り扱えるようになります。
Gaussianへの計算投入は、Job Serverを利用して実行できるため、計算の投入・管理、結果の回収は自動で行えます。また、フローチャート内で設定できるので、各計算モジュールと連携してGaussianを利用することができます。

Gaussian Interface

追加機能・機能改善

MedeA基本環境
本バージョンを最後に32bit版の提供を終了する予定です。ほとんどのユーザが現在、64bit対応のOS上でMedeAを利用していることから、次期バージョンより64bit版のみの提供となる予定です。
64bit化することで、MedeAの動作の安定性が向上します。特にJob Serverについては、負荷の高い計算を実行した際にも安定して計算を処理することが期待できます。
VASP5.3.5
VASPのバージョン5.3.5に対応しました。VASP5.3.5では分散力補正として、GrimmeのDFT-D2に加えDFT-D3も利用可能になります。また、並列化計算においてIntelMPI5に対応しました。
TSS(Transtion State Search)
遷移状態探索手法としてDimer法を利用できるようになりました。TSSではNEB法によりMinimum Energy Pathを求めた後に、遷移状態をさらに精度良く探索する手法としてDimer法を利用できます。NEB法での計算結果からDimer法への計算の引き継ぎは、TSSによって自動で行われます。
UNCLE
前バージョンにて新モジュールとしてリリースしたUNCLEは、今回のアップデートによって計算管理の安定性が増し、より利用しやすくなりました。また、Monte Carlo法によって得られた計算結果から構造をグラフィカルに表示できるようになりました。