ChemTunes・ToxGPS
次世代リスク評価プラットフォーム
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title:{概要}
ChemTunes・ToxGPSは、化合物の安全性評価とリスク評価のための毒性・安全性に関連するデータベース(ChemTunes)と知識ベースの予測・ワークフローシステム(ToxGPS)を統合したプラットフォームです。医薬品、化粧品、食品、工業用およびその周辺化合物を対象としており、化合物の毒性学研究・安全性研究全般で利用することができます。
ChemTunesに搭載のデータベースは、規制機関のデータベースや公共の毒性試験データベースが統合されており、専門家によりキュレーションされたin vitroおよびin vivoの毒性試験が収載されています。
ToxGPSは、ヒトの健康と規制関連の一連のエンドポイント(in vitroおよびin vivo)に対する予測・ワークフローシステムです。統計的な解析手法であるQSARモデルと、ルールベースの解析手法であるケモタイプ・アラートの両方の予測結果を、証拠の重み付けにより評価することで、全体の不確実性を最小限に抑えた最終的な結果を予測します。
MN-AM社ウェブサイト
ChemTunes・ToxGPSの開発元であるMN-AM社ウェブサイトもあわせてご覧ください。関連論文のリファレンス、応用事例を紹介した学会発表のポスターなどをダウンロードして頂くことができます。
title:{ChemTunes}
ChemTunesは、in vitroおよびin vivoの毒性と規制機関の情報から構築された幅広い安全性・毒性のデータベースです。データベースには、エンドポイント固有の包括的な安全性評価とリスク評価に関連する情報が収載されています。専門家によりデータの信頼性が担保されており、品質スコアが割り当てられています。
特長
- エンドポイント固有の包括的な安全評価とリスク評価に関連する情報を収載
- 安全率、暴露幅、参照用量、無毒性量、一日摂取許容量、不確実係数、標的部位、重大影響、規制機関、年を含む安全性評価指標
- 専門家によるデータの信頼性と品質スコア
- 仮説に基づいた検索を実行するためのデータマイニング機能(化学構造式、毒性エンドポイント、効果サイト)
- ToxGPS のリードアクロス・ワークフローのデータとして利用
検索条件
データソース
規制機関:
US EPA IRIS, EFSA, SCCS/SCCP/SCCNFP, US FDA, JECFA/WHO, NITE Japan, COSMOS, MUNRO
毒性情報データベース:
NTP, US EPA ToxRefDB, US FDA, EFSA, HESS Japan and REACH
title:{ToxGPS}
ToxGPSは、信頼性の高い予測・ワークフローシステムです。一連のヒトの健康および規制関連エンドポイント(in vitroおよびin vivo)について、化合物の毒性や、ワークフローを用いた毒性発現の投与量の予測を行う機能などがあります。作用機序に基づくQSARモデルと、重症度スコア(オッズ比)を含むケモタイプ・アラート(構造知識ベース)の両方の予測結果を結合して、証拠の重み付け(WoE:Weight of Evidence)により評価することで全体の不確実性を最小限に抑え、最終的な結果を予測します。
TTC解析(Threshold of Toxicological Concern、毒性学的懸念の閾値)
化学物質の毒性リスクを評価するためのアプローチの一つで、化学構造と毒性データの関係に基づき、詳細な毒性試験なしで安全な摂取量を推定する手法です。
多くの化学物質については、詳細な毒性試験が行われていないことが多く、そのため、既存の毒性データを統計的に解析し、特定の化学構造群ごとに「これ以下なら安全」とされる閾値(TTC値)を設定します。 これにより、化学物質の毒性試験を行わずにリスク評価が可能になります。
Chemotype Profiler
活性、特性、または薬物動態に関連する分子フラグメントを同定します。

プロファイリングの種類
-
フィンガープリント
- ToxPrint ケモタイプ
-
化学結合と反応性プロファイル
- DNA 結合性
- タンパク質結合性
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代謝プロファイル
- Liver BioPath ルール
- Skin BioPath ルール
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毒性プロファイル
- 発生毒性と生殖毒性決定木
- 肝毒性アラート
- 肝脂肪症ルール
- ミトコンドリア毒性アラート
- 皮膚透過性ルール
- 皮膚刺激性ルール
QSARモデルによる毒性予測
毒性エンドポイントを予測するための以下のQSARモデルを搭載しています。各QSARモデルには、OECDガイドラインにより定められたQSAR Model Reporting Format (QMRF) に準拠するレポートを参照することができます。
QSARモデルの種類
- 急性毒性
-
発がん性
- マウス腫瘍原生
- ラット腫瘍原生
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発生および生殖毒性
- 口蓋裂
-
遺伝毒性
- 細菌復帰変異原性(AMMES)
- In vitro染色体異常性
- In vitro小核性
-
肝毒性
- Oral Human DILI(Drug-Induced Liver Injury; 薬物性肝障害)
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皮膚毒性
- 皮膚感作性(LLNA; Local Lymph Node Assay)
リードアクロス解析
毒性データが不足している化学物質(ターゲット化合物)の毒性を、類似の化学構造を持つ既存化学物質(アナログ化合物)のデータを用いて推定する手法です。 これは、新規化学物質の毒性試験を省略・削減し、リスク評価を迅速化するための代替アプローチとして広く利用されています。
リードアクロス解析では、予測の信頼性を高めるため、Weight-of-Evidence(WoE)により、複数のデータソース(例:構造類似性、毒性データ、代謝情報、in vitro試験、計算毒性学など)から得られた証拠を統合し、総合的な結論を導き出します。
title:{ChemTunes Express}
化学物質の安全性評価のためのツールコレクションです。 ChemTunes-ToxGPSから独立して使用することができ、化学物質の安全性とスクリーニングプロジェクトを支援します。
NOAEL / EC3 値の推算
高度にキュレーションされたNOAELおよびEC3データベースから類似構造を検索して、ターゲット化合物のNOAELまたは、EC3値の95%信頼区間を算出します。
データベースには、2000以上の化合物のNOAEL値、及びLLNA(Local Lymph Node Assay)試験から得た500以上のEC3値が収載されています。
ADE(Acceptable Daily Exposure)の予測
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皮膚透過性の予測
様々な化学物質による - ヒト経口(腸管)吸収
経口投与された医薬品、化粧品、食品関連化学物質のヒトin vivo試験 -
ヒト血漿タンパク質結合
ヒトにおけるin vitro試験 平衡透析試験 NIEHSの薬剤データセット -
血液脳関門の透過性
主に薬物類似化合物の静脈内注射によるin vivoラット試験
毒性予測
- 皮膚感作性
- ヒト薬物肝障害
- 非臨床薬物肝障害
title:{RepDoseデータベース}
RepDoseは、化学物質の反復投与毒性試験データを収集・整理したデータベースです。化合物の反復投与によるリスクアセスメントや安全性評価に活用されます。欧州化学品工業連盟(CEFIC)の研究助成事業LRI(The Long-range Research Initiative) の一環として、Fraunhofer ITEMにより構築されました。
RepDoseの主な特徴
-
化学物質の反復投与毒性データ
- 亜急性(28日)、亜慢性(90日)、慢性(1年以上)など、異なる期間の試験データを含む。
- 毒性影響を示す指標(NOAEL, LOAELなど)を提供。
- 公開された文献や各種規制機関(例: OECD, EPA, EU)による試験データに基づくデータ。
-
リスクアセスメント向けの活用
- 化学物質の安全基準設定(例: 許容摂取量TDI、暴露限界値DNEL)に使用可能。
- QSAR(定量的構造活性相関)やPBPK(生理学的薬物動態モデル)解析にも応用可能。
RepDoseは、化学物質のリスク評価を行う研究者、規制当局、企業の安全性評価部門などに広く利用されています。
RepDoseデータベースの登録内容
化合物数 | 試験数 | ||
---|---|---|---|
試験タイプ | 短期毒性試験 | 591 | 972 |
亜慢性毒性試験 | 633 | 1,107 | |
慢性毒性試験 | 438 | 960 | |
生物種 | ラット | 946 | 22,000 |
マウス | 405 | 771 | |
イヌ | 35 | 67 | |
投与経路 | 吸入 | 386 | 921 |
胃挿管/経口挿管 | 434 | 784 | |
飲水 | 102 | 229 | |
混餌 | 388 | 1,104 |
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