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計算手法(COSMO-RS法)について

スクリーニング電荷密度BIOVIA COSMOtherm で使用するCOSMO-RS(Conductor like Screening Model for Realistic Solvation)法は、
1995年にA. Klamtによって提案された新しい物性推算法です。
COSMO-RS法では、まず導電体中の分子モデルを用いて溶液中の分子状態を近似し(COSMO近似)、
溶液内の分子の立体構造や表面電荷密度を量子化学計算により求めます。
表面電荷密度はスクリーニング電荷密度と呼ばれます(右図)。

 

次に得られた分子のスクリーニング電荷密度を用いて、溶液中の分子間相互作用を評価します。
溶液中の分子間相互作用は分子表面間の接触による相互作用として表します。
具体的に分子表面を小さなセグメントに分割し、それぞれのセグメントが独立に接触・相互作用すると仮定し、相互作用エネルギーを計算します。
相互作用エネルギーは、スクリーニング電荷密度に基づく、静電相互作用や水素結合相互作用、およびファン・デル・ワールス相互作用に基づき算出されます。

相互作用エネルギーの計算は、溶液に含まれるすべての化合物同士の全セグメント間で行い、その統計平均値を算出します。
そして、その平均値から化合物の化学ポテンシャルを算出し、活量係数・溶解度などの熱力学物性を算出します。

COSMO-RS法では、分子構造の情報から直接、熱力学物性を算出することができます。
また、特殊な仮定を用いることなく、有限・無限希釈どちらの場合でも精度良く熱力学物性を予測できます。

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